📙 NVIDIAによるMellanox買収¶
質問者: Shigeru Morifuku
回答者: Claude Opus 5.5
回答日: 2026/11/3
免責: 回答者は AI であり、間違えることがあります。
🟩 Q: NVIDIAはMellanoxのRDMA技術が欲しかったの?¶
RDMAは理由の一部ですが、主な理由ではありません。RDMAそのものよりも、データセンター規模でGPUをつなぐネットワーク全体(ハードウェア、ソフトウェア、エンジニア)を手に入れることが目的でした。
RDMAだけでは説明できない理由
RDMAの仕様は公開されています(InfiniBand Verbs、RoCE、iWARP)。またNVIDIAは買収の前から、Mellanoxと組んでGPUDirect RDMAを実現していました。協業で足りていたことに約69億ドル(2019年3月発表、2020年4月完了)を払う必要はありません。Intelも買収に名乗りを上げていたので、競合に取られないための買収という面もありました。
実際に欲しかったもの
InfiniBandの独占的な地位:HPCやAI学習クラスタの接続は、事実上Mellanoxが独占していました。大規模な分散学習ではGPU間の通信がボトルネックになるため、そこを自社で押さえたかったということです。
ConnectX NICの実装力:RDMAの転送処理をハードウェアで行う技術、低遅延、輻輳制御などです。仕様が公開されていても、高い完成度で作れるかどうかは別の話です。
SHARP(In-Network Computing):AllReduceのような集団通信をスイッチの中で処理する技術です。分散学習に直接効きます。
BlueField DPU:NIC上にArmコアを載せた製品で、インフラ処理をCPUから切り離す流れに乗るためのものです。
Spectrum Ethernetスイッチ:のちのSpectrum-X(AI向けEthernet)につながります。
イスラエルの技術者チーム:ネットワーク用ASICやファームウェアの人材です。
背景にある考え方
Jensen Huangは「データセンターが一つのコンピュータになる」と繰り返し言っています。GPU、CPU(Grace)、ノード内の接続(NVLink/NVSwitch)、ノード間の接続(InfiniBand/Ethernet)、DPUまでをすべて自社で揃え、ラック単位、クラスタ単位で売るという戦略です。Mellanoxはその中で、ノード間の接続を担う部品でした。
結果
生成AIブームで、この買収は大成功と言われるものになりました。NVIDIAのネットワーク事業は年間で数百億ドル規模に伸びていて、DGX/HGXやGB200 NVL72のようなシステム売りの土台になっています。
DPDKとの関係で言うと、DPDKはパケット処理をユーザ空間に移す技術です。一方RDMAは、転送処理そのものをNICのハードウェアに任せて、CPUをほとんど使わない技術です。Mellanoxはどちらでも強く(mlx5 PMDは定番のDPDKドライバの一つ)、この両方を持っていたことも価値の一部でした。